＜Sky RKBレディスクラシック 最終日◇18日◇福岡雷山ゴルフ倶楽部（福岡県）◇6489ヤード・パー72＞
国内女子ツアーの最終日はトップタイで出た神谷そらが、1イーグル・6バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「67」をマーク。なんと14番終了時点でトップの金澤志奈と4打差をつけられながら、4ホールで5打をまくる怒涛の逆転劇を演じ、トータル14アンダーで2年ぶりのツアー3勝目を飾った。
昨年途中からクラブ契約フリーになり、ボールはキャロウェイと契約し『クロムツアー♦♦♦』を使用。今年1月から球筋をフェードに変え「まだ20％」の完成度というなか、つかんだ勝利でもあった。実際、最終日の11番ではそのフェードボールでOBを喫したが、広い最終18番ではこの日5度目の『ELYTE♦♦♦』ドライバーを強振。「きょうイチで、2日間と比べても飛んでいた」という一打は、初速71ｍ/sで約290ヤードをマーク。逆転イーグルにつなげた。
元々シャフトは初代『ベンタスブラック5X』だったが、昨年の「女子オープン」から上3本を『24ベンタスブラック』に変更。フジクラのツアー担当者は「初代より切り返しでタイミングが取りやすいと愛用いただいていて、1Wは持ち球をフェードに変えたことでカット量ふくめて今も調整中です。4Uの『ベンタスHBブラック』は高さを出して止めたいため、Xではなく現状は8Sで落ち着いてます」と明かす。
クラブ選びは「感覚派」。4Uとウェッジを除く10本をキャロウェイで揃える。「ボールがキャロウェイで、その相性も考えている。顔も大事だけれど、打った時に自分に響いてくる音や手に残る打感を一番大事にしています。あとは齋藤さん（キャディの齋藤優希氏）に任せています（笑）」と、信頼するキャディの見立てに応じている。
3本のウェッジのうち、58度だけはノーメッキ。サロンパスから投入したが、これもキャディのアドバイスがあったからこそ。“こっちの方がいいかも”とわずか1球打っただけで即判断。ここにも感覚派らしさが表れている。
「ノーメッキの方がスピンがかかりやすいというのは知っているけれど……。今週はメッキありでいく予定だったけれど、練習ラウンドで思ったよりグリーンで弾いて、ワンバウンド目が飛んでいた。ノーメッキを打ってみたら球が柔らかかったのか、スピンが効いたのか、跳ねていない印象だった」（神谷）
上がり3ホール連続で5メートル前後を1パットでねじ込んだのは、今大会からお披露目されたばかりのオデッセイ『Ai-ONE GIRAFFE-BEAM JAILBIRD ミニ』。これまでのエースは『Ai-ONE JAILBIRD ミニ』だが、ロングネックで開閉を抑えられる“ジラフ”に「ネックのあるマレットを使いたいと思っていたので“待ってました！”という感じ」と歓迎して即採用。ちなみにオデッセイは49％の使用率で、大会No.1になっていた。
「（昨年モデルの）ジラフは、テストはしていたけれど使っていなかった。ヘッドの形は一緒だったので、2～3球打って“これでいきます”とすんなり替えました。音は硬く聞こえたけれど、打感はそんなには変わらないです。見た目はお上品になりました（笑）」（神谷）
昨年は数試合だけタッグを組んだ齋藤キャディには、今季から“ほぼ専属”での帯同をお願いしている。「クラブのテストはオフにやって、いいかもしれないというものを選んだ。シーズンが始まってからは齋藤さんと“いまこういう状態です”という会話をして、シーズン中の微調整も任せてます」。米ツアーで戦った丸山茂樹や申ジエ（韓国）を長きに渡ってサポートしてきたベテランキャディの目利きも生かし、状況に応じて調整をしている。
なお、パターの勝数は、今季9戦中5勝がオデッセイ（岩井千怜、吉田優利、穴井詩、安田祐香、神谷）で、ピンが3勝（工藤遥加、佐久間朱莉、菅沼菜々）、スコッティ・キャメロンが1勝（申ジエ）。ボールの勝数は4勝がタイトリスト（工藤、穴井、佐久間、申）、スリクソン（岩井、安田、菅沼）が3勝、ブリヂストン（吉田）とキャロウェイ（神谷）が1勝ずつとなった。
【神谷そらの優勝セッティング】
1W：キャロウェイ ELYTE♦♦♦（9° 24ベンタスブラック5X）
3W：キャロウェイ ELYTE ♦♦♦（15° 24ベンタスブラック5X）
3U：キャロウェイ APEX（19° 24ベンタスブラック6X）
4U：タイトリスト GT3（21°ベンタスHBブラック8S）
5I：キャロウェイ X FORGED STAR（DG105 S200）
6I～PW：キャロウェイ X FORGED（DG105 S200）
48,52,58°：タイトリスト ボーケイSM10（DG105 S200）
PT:オデッセイ Ai-ONE GIRAFFE-BEAM JAILBIRD ミニ
BALL：キャロウェイ クロムツアー♦♦♦ トリプルトラック
