<リゾートトラスト レディス 初日◇29日◇グランディ鳴門ゴルフクラブ36(徳島県)◇6585ヤード・パー72>
ルーキーの中村心が1イーグル、5バーディ、2ボギーの「67」で回り、首位と1打差の3位で滑り出した。3パットした4番でボギーが先行したが、続く5番で“倍返し”ともいえるイーグルでバウンスバック。残り232ヤードで2オンに成功し、ピン右6メートルをきれいに沈めた。
「久しぶりにいいスタートが切れました。ショットの調子も少しずつ良くなってきたと思います」。
ツアー3戦目だった4月の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」で通算9アンダーで首位に並び、3人のプレーオフに進んだが、1ホール目で最初に脱落した。「優勝が目の前にあっただけに、優勝したいという思いは強くなった」と気持ちはより前向きになったが、初めて経験する長丁場のシーズン。開幕から10戦を消化し、疲労が蓄積すると同時に成績も下降線をたどるようになった。
「プロになって毎週試合があるのはうれしいことだけど、精神的にも、肉体的にも結構ハードだなと感じています」。V争い後の4試合は予選落ち。「自信を持ってショットがなかなか打てず、グリーンに乗らないときはアプローチが寄らず、パットも入らない。乗ったときは入れないといけないプレッシャーがあった。悪いゴルフが続いて、カットラインを気にしながらやっていました」。負の連鎖にはまり、直近8ラウンドでアンダーパーは2度だけ。60台はなかった。
昨夏からプロのフィールドで戦うことを視野に入れ、体力強化に努めた。体重は9キロ増え、サイズアップとともに飛距離も10ヤード増しの250ヤードになった。しかし、開幕から3カ月で体重は3キロ減。『休むのも練習のうち』と考え方を変えた。
前週は下部のステップ・アップ・ツアーに出場したが、最終日の競技中に熊がコース内で出没して中止になった。「最後までやりたかったけど、被害が出なくてよかった」と胸をなでおろした前代未聞のハプニングだったが、ゆっくりする時間は増えた。
充電は完了。初めて回るコースで、スコアを3つ伸ばして前半を折り返した。後半も3バーディ、1ボギー。あがってみたら、自己ベストタイの「67」をマークした。「明日もアンダーを目指して上位をキープできるように頑張ります」。今季レギュラーツアーでのルーキー最高順位は、中村と荒木優奈の2位。「みんな強くて、優勝争いしている。その中で一番に勝ちたいです」。滑り出しは順調。このまま一等賞のゴールを目指していく。(文・臼杵孝志)